健康で長生きする秘訣(運動編)

 
前回は、痩せるための食事のお話をしましたが、食事を控えるだけではなかなか痩せられないのが現状です。これは、食事を減らすと、以前お話した「倹約遺伝子」が原始時代の「飢餓」の記憶を思い出し、代謝を抑えて、せっかく蓄えた身体の脂肪を消費させないようにするからです。  では、どうしたら痩せられるのでしょうか? 身体が代謝を抑えるのなら、それに対抗して代謝を亢進させればいいのです。その手段が運動です。運動すると筋肉がエネルギーを消費するので、代謝が亢進します。食事を控えることでカロリーの摂取が少なくなり、運動でカロリーの消費が多くなれば、当然貯金(身体に蓄えている脂肪)を使わざるを得なくなって、痩せるというわけです。 お勧めできる運動の種類は、歩く、泳ぐ、ジョギングなど、有酸素運動と呼ばれるもので、重いものを持ったり、力むような運動はお勧めできません。ただし、メタボリック症候群の方は、運動不足で筋肉の量が減っているのが原因の一つとも言われていますので、高血圧や心臓病がなければ、筋肉をつけるような運動も取入れた方がよいでしょう。1回の運動時間は、可能であれば30分から1時間、最低でも15分は続けてください。それをできれば毎日、少なくとも週3日以上続けると効果的です。これを生活習慣の一部にして、長く続けていくことが大切です。運動のタイミングについては、特に太り気味の方は食後に血糖が上がることが多く、これが動脈硬化を悪くすると言われていますので、空腹時よりも食後に運動した方が効率的だと思われます。冬の寒い日の早朝に運動するのは、高血圧や狭心症のある方は控えてください。忙しくて運動ができないという方は、車やエレベーターを使わずにできるだけ歩くようにしてください。歩く暇もない方は、普段立って生活するだけでも、茶碗1杯のご飯分くらいのカロリーは消費できるようですので、是非試してみてください。