健康で長生きする秘訣(徐脈編)

 
脈が不整でなくても、遅く打つことが問題になる場合があります。 脈は普通1分間に100>回くらい打っており、運動したり緊張したときはそれ以上に速くなっても心配ないというお話をしましたが、遅い方はどうでしょうか。 個人差がありますので一概には言えませんが、 一般的には心臓の働きに問題がなければ、脈は>1分間に40回程度でも問題ないことが多いようです。特にマラソンなどの激しいスポーツをされる方は心臓が効率よく働くために脈が遅くなりやすいので、症状がなければ特に心配は要りません。しかし、35>回以下になると注意が必要です。脈があまり遅くなると、心臓が充分な血液を全身の臓器に送ることができなくなりますので、障害が起こってきます。最も症状が出やすい臓器が脳で、 「気が遠くなりそう」「引き込まれそう」あるいは実際に気を失うという症状が起こります。脈がいつも遅い方に限らず、普段の脈が正常の方でも突然遅くなる事がありますので、前に述べたような症状を感じたらすぐ脈を測ってみてください。 その時脈が極端に遅ければ、すぐにお近くの病院を受診してください。脈が40回程度でも、注意が必要な病態があります。それは「房室ブロック」と呼ばれるものです。心臓は弱い電気で動いており、それを心房から心室へ伝える電線のようなものが心臓の中にありますが、これが切れた状態をいい、 万一の場合は生命に関わる危険性もあります。このため、脈が遅い方は念のため、一度心電図検査を受けていただいたほうが無難かもしれません。脈が遅いことが原因で気を失う方は、たとえ薬が効かなくても心配は要りません。ペースメーカーという器械を体内に埋め込む手術を受ければ、 気を失うことはなくなり、通常通りの生活を送れるようになります(磁気を発するものに近づけないという制約はありますが)ので、どうぞお近くの医院にご相談ください。