健康で長生きする秘訣(不整脈)

前回は脈の測り方と不整脈のお話をしましたが、不整脈にはどんなものがあるのでしょうか。最も多いのは普段は規則的に打っているのに、時々速く打ったり、脈が抜けるものです。これは「期外収縮」と呼ばれ、健康な方でも1日のうちに何回かは起こっていることが多いものです。この不整脈が起こった時に胸が詰まる感じがしたり、違和感がある方もおられますが、全く何も感じない方も少なくありません。心臓病がなく、頻度が少なければ問題ないことが多いですが、再々起こるようでしたら一度お近くの医院にご相談ください。 脈が全くバラバラに打つ不整脈もあります。これは「心房細動」と呼ばれ、心臓弁膜症や心不全の方によく見られますが、心臓病がなくても起こる事も多く、年齢とともに頻度が増し、 80歳を過ぎると10人に1人は心房細動になっているという報告もあるほどです。心房細動で命に関わることはありませんが、心房の中に血栓という血の塊ができやすくなることが問題です。この血栓が万一剥がれると、動脈の中を血流に乗って流れていくので、どこに詰まるかわかりません。運悪く頭の血管に詰まると「脳卒中」となり、冠動脈に詰まったら心筋梗塞となって、命に関わる危険性が生じます。このためこの不整脈が起こったらできるだけ早く病院を受診し、正常の脈に戻してもらう必要があります。多くの場合、心房細動が起こると激しい動悸がしますのですぐにわかりますが、まれに症状がない方がおられますので、日頃から脈を測る習慣を身に着けておくことをお勧めします。心房細動が治らなかったり、再々起こる場合は、血栓を予防する薬を飲む必要があります。これは「ワーファリン」と呼ばれるもので、効きすぎると出血する恐れがありますので、定期的に血液検査をして、薬を飲む量を調節する必要があります。ちなみにワーファリンを飲まれる方は、薬が効かなくなりますので納豆やクロレラなどを摂らないように注意してください。