健康で長生きする秘訣(肝炎ウィルス検診編)

 肝臓がんは、わが国の男性の癌死亡の第3位、女性の第4位と上位を占め、毎年3万人以上の方がこの病気で亡くなっています。わが国では、肝臓がんの原因のほとんどが肝炎ウィルスの持続感染であることがわかっています。ウィルスの持続感染によって、遺伝子の突然変異が積み重なり、肝臓がんへと進展していくと考えられています。肝炎ウィルスにはたくさんの型がありますが、肝臓がんと関係があるのはB型とC型です。
 B型肝炎は血液や体液を介して感染することが多いのですが、成人の場合、60〜70%の方は自覚症状があまり出ないうちに治ります。しかし母子感染の場合は慢性化することがあり、そのうち10%くらいの方が持続性感染となり、肝硬変や肝がんに移行すると言われています。
 C型肝炎もB型肝炎同様、血液を介して感染しますが、感染力が弱いので単に血液に触れたくらいでは感染せず、大部分が輸血によるものと言われています。C型肝炎の場合は治りにくく、70〜80%の方は慢性化し、その結果、肝硬変や肝臓がんへ移行する危険性が高くなります。
ちなみに、わが国では肝細胞がんの80%がC型肝炎ウィルス、15%がB型肝炎ウィルスの持続感染に起因すると言われています。従って、肝臓がんの発症を予防するには、まずこの肝炎ウィルスに感染しているかどうかを調べる必要があり、この目的のため久留米市では今、B型、C型肝炎ウィルスの検査を行っています。この検査は久留米市に住んでおられる20歳以上の方で、これまで肝炎ウィルスの検査を受けた事がなければ、どなたでも受けることができます。料金は無料です。 
もし肝炎ウィルスが見つかった場合、それを駆除できれば肝臓がんになる危険性が激減しますが、その最も有効な治療法であるインターフェロン療法にも、現在治療費の助成が行われています。気になる方は、是非この機会にお近くの医院にご相談ください。