健康で長生きする秘訣(脳卒中編)

 今回は脳卒中についてお話します。脳卒中は年間25万人が発症し、日本人の死亡原因の第3位を占めます。また、たとえ一命を取り留めても、半身不随等が残り、寝たきりになる原因の3割を占める恐ろしい病気です。脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞と血管が破れて出血する脳内出血、くも膜下出血に分けられますが、現在ではこのうち脳梗塞が4分の3を占めています。
 脳梗塞の原因の多くは動脈硬化です。このため脳梗塞にならないためには動脈硬化を進行させないようにすることが大切です。すなわち、動脈硬化の原因となる高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、メタボリック症候群を予防するために塩分やカロリーの高いもの、コレステロールの多いもの(肉、卵、乳製品など)を控え、運動する習慣をつけましょう。また煙草を吸う方は禁煙し、お酒は適量(日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本以内)を守ってください。血のつながった親戚に脳卒中になった方がいる場合は特に注意が必要です。また、心房細動(脈がバラバラに打つ不整脈)が原因で脳梗塞が起こることもありますので、動悸が持続したり再々起こる場合は、早めにお近くの医院にご相談ください。
 脳卒中の症状は、体の半分の麻痺、しびれ、ろれつがまわらなくなる、言葉が出なくなる、片方の目が見えなくなる、物が二重に見える、ふらついて歩けないなど多彩です。脳梗塞の場合、発症早期であれば脳の血管に詰まった血栓を溶かす薬が使え、症状が劇的に回復する可能性がありますので、このような症状が起こったら我慢せずにすぐ救急車で専門医のいる病院を受診して下さい。また、この症状が短時間で治ることがありますが、これを放置すると本格的に脳梗塞になる危険性がありますので、治ったからといって安心せずに必ずお近くの医院にご相談ください。