健康で長生きする秘訣(糖尿病編'11)

 糖尿病の患者さんが増えています。2007年のわが国の糖尿病実態調査では、糖尿病とその予備群の方は2210万人で、2002年の調査の時と比べて590万人増えており、今後も更に増え続けることが予想されています。
 糖尿病は血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用するのに必要な「インスリン」というホルモンの働きが相対的に低下して高血糖が続く状態で、放置すると失明したり、腎不全になって血液透析を受けなければならなくなる可能性が高くなります。そればかりでなく、心筋梗塞や脳卒中のような動脈硬化が原因の重篤な病気の発症率も高くなる、とても恐い病気です。しかし軽いうちに早期発見をして治療をすれば、治る可能性の高い病気でもあります。糖尿病の症状といえば、喉がとても渇くので水分をたくさん摂り、おしっこがたくさん出る、というのが代表的ですが、こういう症状が出るのは糖尿病がかなり進行してからのことで、初めのうちは全く無症状のことが多いです。ですから、糖尿病は健康診断を受けないと早期発見することが難しいと言っても過言ではありません。また多くの場合、糖尿病は発症するかなり前から動脈硬化が進行すると言われています。すなわち、糖尿病になってから初めて動脈硬化が進行するのではなく、糖尿病になりそうな状態自体が動脈硬化を進行させ、糖尿病が発症する頃にはすでに動脈硬化が悪くなっていることが多いと言うわけです。この状態がメタボリック症候群と呼ばれるもので、糖尿病の早期発見に加えてメタボリック症候群も如何に早く見つけて治療するかが、多くの合併症を防ぐ意味でとても重要です。久留米市で毎年行っている特定健診は糖尿病やメタボリック症候群の早期発見に役立つもので、自覚症状がなく、病院にかかっていない方こそ是非受けていただきたい健診なのです。今年も6月から始まりますので、健診を希望される方はお近くの医院にご相談ください。