メタボリック症候群について

テレビや新聞などで、よくメタボリック症候群が話題になっています。メタボリック症候群とはいったいどんなものなのでしょうか?食べすぎ、運動不足で内臓脂肪がお腹の中に貯まると、そこから動脈硬化を進行させる物質が色々出てくるようになります。その中でも、糖分を体内で利用するのに必要な「インスリン」の作用を邪魔する物質が特に重要で、それによって「インスリン」の血中濃度が上がり、これが動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こす危険性が高くなります。このため、ある意味糖尿病より恐ろしい病気とも言われています。最近わが国でもメタボリック症候群の診断基準が発表されました。それによりますと、ウエストの廻りが男性で85cm以上、女性で90cm以上というのが必須項目で、これに次の3つ(@中性脂肪が150mg/dl以上か善玉コレステロールが40mg/dl未満、A空腹時血糖が110mg/dl以上、B血圧が130/85mmHg以上)のうち2つ以上あると、メタボリック症候群と診断されます。女性の方はウエストの廻りが90cmと聞いて安心した方も多いかと思いますが、これには発表当時からすでに問題視されており、次の改定では77cm前後になるのではないかと言われていますので、ご注意ください。昨年の厚生労働省の発表では、このメタボリック症候群が強く疑われる患者は全国に940万人、その予備軍が1020万人、合わせて1960万人いると推定されています。また、40才から74才に限ると、男性は2人に1人、女性でも5人に1人が有病者かその予備軍と推定されています。このメタボリック症候群の予防や治療も、やはり食事と運動がキーポイントです。インスリン抵抗性の改善には筋肉をつけることも重要ですので、運動は、これまで述べたような有酸素運動に加えて、筋肉をつけるような運動も取り入れたほうがよいでしょう。